惹かれた理由は、貴方が『矛盾』の上で成り立っているから。
子供で大人。
器用で不器用。
鋭敏で鈍感。
理性的で感情的。
狡猾で純粋……………。
不思議だった。興味ぶかかった。だから知りたいと思った。
最初はそれだけだったのに。
音のない森 3
さくり、さくり、と土と草を踏む音が近づく。
それと同時に自分の鼓動と、そして、呼吸の音が大きくなっていく。
周りの音は徐々に消え、第6感が鋭角になっていく中。足音が、止まった。
「君が僕を守ってくれるだろう?」
ふわり、と微笑を零して。
傲慢に…………だけど、深い瞳の奥底には伺うような問いかけで。
拳に力を入れた。
「………貴方が望むなら、、、貴方を、そして、貴方が守りたい陛下を、
この身この心俺の全てで守って見せますよ」感情を押し殺した声に、猊下は嬉しそうな笑みを。。。瞳を満足げに弛ませた。
冷たい風がふく。
猊下が纏っていたマントの裾が広がり、二人の間に沈黙が流れる。
跳ねた髪が猊下の頬に、、柔らかい髪が瞳にかかり、滑らかな白い指が静かに払いのけられる。
伏せられたまつげが存外長い。
そうして、ゆっくりと持ち上げられる目蓋。そのまま俺の顔を見つめられて。…………………想いが、溢れだす。
貪欲で…………暴力的な、、、、、、、、、、、、、、、、、狂気が。
「-------------------ヨザッ?!」
腕を引き寄せた。マントごと、その体をかき抱いた。
細い体。驚いて見開く瞳。言葉と共に息を吐き出し、開いた、、、唇。その全てが、理性を奪い、本能だけを目覚めさせて。
「………だけど、俺自身から貴方を守れません。
貴方は……………俺から自分を守ってください。貴方自身が」
「何………??」
「もう、遅いと思いますけど」囁くような言葉を吐き出した後に、腰を抱き寄せ、頭を抱えて噛み付くように唇を塞いだ。
上手く状況を飲み込めていない唇を縦横無尽に貪る。
元々、知識としてキスの行為を知っていても、経験としてはかなり浅い。
いつものように戯れるようなキスならともかく、激しく追い立てると、彼は追いつけなくなる。
歯茎をなぞり、舌を吸い込んで、唾液を送り込む。
息が続かなくさせるほどの荒々しさを与えると、彼は肩を掴んで、弱弱しく押し返す。
その行為が油を注ぐ事になるとは知らず。「んっ………っ、はぁっ…………んんん」
鼻から抜ける声が艶かしい。
うっすら瞳を開けて見ると、ぎゅっと両の目が閉じられていて。もっと顎を上げさせるために後ろの髪を引っ張った。
くぐもった声が洩れ、掴む腕の力が強くなった。
指先が震えているのが伝わる。一通り口腔内を貪りつくして、彼の体を抱き上げた。
呼吸を整えようとしていた猊下は、再び、息を飲み込んで俺へ顔を上げる。
唇の端から流れた二人の唾液が月の光に照らされて俺の感情を煽る。大股で馬小屋に入ると、さすがに猊下も我に戻って、俺の腕から逃れようと背を叩く。
足をばたつかせ、声を張り上げようと息を飲み込んだ。「ヨザック、何を----っ!!!」
「猊下、静かに………。今は……………貴方の泣き声しか聞きたくない」
「---------------っ!!!!」人の気配に気づいたのか、馬達が鼻息を鳴らして尾を振っている。
そんな回りに気付かず、猊下は俺を睨み上げ、俺はそれに更に煽られる。
馬の餌である草を詰め込んだ部屋に入り込み、壁に体を押し付け、再び、唇を塞いだ。暴れる両腕を壁に押し付け、逃げようとする足の間に片足をいれて。
残った腕で腰を引き寄せる。「----------っ」
忍び込ませた舌に噛み付かれた。
口の間に血の味が広がり、鈍い痛みが広がる。
思わず、口を離したら、怒りに煌く黒い瞳が見上げていた。「ヨザック、君は-------っ!!!」
「-----------猊下」いっそ、囁く声は、優しく、甘く。
だけど、開いた口に拳の小指側を突っ込んで。目が見開かれる。
初めて彼の瞳におびえた光が灯った。可哀想に。
「言ったでしょう? 今は貴方の泣き声が聞きたいと」
血の味に、窓から降り注ぐ月の灯りに。
そして、今まで聞いたことない顔に声に瞳に。
狂わせられる。
「貴方を、、、、、愛しています」
えへv(それで誤魔化す気ですか、あずまサン!!
061221 あずま
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070611
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