瞳が恐怖の色に染まる。
拳を入れた唇が、一瞬震えた。
肩を掴む腕の力が抜け、俺を信じられないような目で見上げる。

そうして。
漆黒の瞳に俺がうつっていた。

 

可哀想に。

 

「言ったでしょう? 今は貴方の泣き声が聞きたいと」

 

 

瞳の中の俺が、うっすら哂っている。

 

 

音のない森 4

 

 

荒い息遣いが聞こえる。
せわしく繰り返し、時々、つばを飲み込む嚥下の音。
そして、早く打つ鼓動。

それは自分の息遣い。
自分の心臓。

何故ならば。
そこに愛しい人がいるから。

 

------------俺の腕の中にいながらも、キッと睨みつけてくる、、、、愛しい人が。

 

 

「んっ、、、んんんっ!」

 

拳をのけて、すかさず唇を塞いだ。
嫌そうに腕を突っぱねてくるが、そんなの俺にとって抵抗にもならない。
乱暴に後ろ髪を掴み、顎を上げさせ、更に深くその口腔内を犯した。
古い馬小屋の壁が二人の体重をかけられ、キシリ、といたむ。
部屋に微かに入ってくる冷気が、自分の熱を自覚させた。

「----------っ!」

甘い舌を絡め、嬲り、吸い上げていると、口に噛み付かれた。
痛みに唇を離すと、その隙を狙いすましたかのように腕から逃れようと身をよじってきた。

だけど、それも一つのスパイスで。

「ぁっ!!」

逃れようとした体に足を絡め、バランスを崩させる。
ゆらり、と、揺らめいた肩を支え、勢いのままに体に覆いかぶさる。
はっとして、顔を上げた猊下の顎を掴みあげて、血の滲んだ唇を舐めた。

「愉しい夜になりそうですよね?」

弾むような声で。

 

ケダモノのような笑みで。

 

-------------------口の中に鉄の味が広がる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

「離せ!!」
「や、ですよ。ここまで来て、離せるわけないでしょう?」

親指で滲んだ血を拭う。
気丈にも猊下は組み伏した俺を睨んできている。

「……………こんな事をしても、僕を手に入れる事は出来ないよ」

何故、この人は、それを今、言うのだろう。

そんな事、わかりきっている。
わかっているからこそ、こんな行為に出たというのに。

思わず、笑みが落ちた。それを不思議そうに猊下が見つめる。

この人は、俺を煽るのが上手い。
いや、この人でも混乱しているのだろう。
今の俺に、そんな事を言うのは火に油を注ぐだけ。
いっそ、ありがたい。

 

 

躊躇する、必要は、、、、全くない、という事だから。

 

 

 

 

 

「ひぃっ…………ャァァアアアアアアア!!!」

小屋に残された僅かなランプの油を指にすくい、おざなりにソコに塗りつけると、
うつぶせにして、一気に体を引き裂いた。
絶叫がほとばしり、声なき声が、その後に続く。
全てが入ったわけではないが、ソコは既にキツク、そして、熱い。
それ以上進めようと腰を揺らめかすと、ギチギチとまるで型にはまったように身動きが出来ない。

「……ぃたぁっ、ヨザ……っ、いたぁぁぁ、やああああああ!!」

頭を押さえ、腰を高く上げさせる。
そうして、尻たぶを押し開いて、体重をかけて、挿入を再開した。
カリの部分が入ると、そのままずぶずぶと華奢な体の中に沈み込んでいく。
こんな小さい所によくこんなものが入るものだ。
と、変に観察をしていたら、じわり、と血が流れ出した。切れたのだろう。
これ幸いとして、軽い前後運動をして、滑りをよくする。

「あっ……あっ……」

がくがく震えるからだ。
小さな叫び声が断裂的にだが、ずっと続いている。
無理な体勢だが、猊下の顎を捉え、精一杯こちらを振り向かせると、目の焦点が合わず、口が半開きのままになっている。
どうやら、痛みに軽いショック状態になっているようだ。

可哀想な、哀れみにもにた感情が胸に広がる。
ただし、それは、どこか他人事で。

血の匂いが、興奮を煽る。
涙に揺れる体が、凶暴な想いを膨れ上がらせる。
口から零れる息に、思考がかき乱されて。

「あ、うっ、、あ、、あ、あ、あ、あ、ぁ」

目の前にあるのは、もう、傷つき倒れたエモノだ。
後は、食べればいいだけ。
甘美な体を味わいつくし、餓えた腹を満たす。

「あ、、、、っ、っ、っ、っ」

ぐちゅぐちゅと音が響く。それに重なり、自分の荒い息が。
支えきれなくなった体は、地面に倒れこみ、唯一自分が支えていた腰だけが、高く、高く持ち上げられていて。

開いたままの唇から、切れた息と唾液だけが零れ落ちている。
漆黒にそまった髪と白い白い腕が、一つ、揺さぶられるごとに、土に汚されていって。

 

かわいそうに。

 

高潔な体と魂が汚されていく。

月の光に照らされた白い肌に、赤い血が際立つ。
痛みなのか。それとも違う何かのせいなのか。
血が溢れ出ている箇所が、ひくひくと誘い込むようにして、更なる悦楽に自分のモノが大きくなっていく。

 

コレはオレのモノ。オレだけのモノ。

 

荒い息と繋がっている場所からの濡れた音だけが、耳に響く。
目に映るものは、息絶えかけたエモノ。

 

愛しい

愛しい、ヒト。

 

「貴方を、、、」

 

ほろり、と心の中から何かが零れた。

 

 

 

「愛しています-----------」

 

 

 

 

 


前回、アップしていないところですね
ゴメンナサイ、猊下(ぁ

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070611 あずま

 

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