「なぁ、闇の賢者」
「なんですか、光の君」

そう答えると、相手に眉間に皺を寄せ、表情あらわに、それはそれは嫌そうな顔をした。

「俺はそう呼ばれるのは嫌だ」
「知っていますよ。貴方が賢者と呼ばれるのを嫌っている私を知っているように」

「……………」
「……………」
「お前、最近、可愛げがなくなってきたな」
「ありがとうございます」

にこにこと笑って、不貞腐れた顔から、手元の本に視線を落とす。
黄金の髪を持つ主は、行儀悪く、背もたれに顎を乗せて、じっとこちらをにらみつけている。
が、それを軽くスルーする。結局、ただの暇つぶしされているだけだし、どうせ、無理やり相手させられるのだ。
と、言うか、あの問いかけをされて、ろくな目にあった事がない。
今もにらむのを無視していたら、無造作に流れ落ちていた髪の一房が引っ張られる。
もちろん、ソコに手加減なんてない。

「---------------っ!」
「今、話を逸らそうとしたな」
「してませんよ。貴方は逸らしてもすぐに話を戻すでしょう?」

まぁ、万が一つでも誤魔化せればと願ってはいるが。

「まぁな。で、俺の賢者」
「…………はい」

仕方なく、本を閉じて視線を投じると、主は機嫌よさそうに鼻を鳴らす。
そして、のたもうた。

「ヤらせろ」
「嫌です」

きっぱり言い切ると、少し目を見張って、、、ソレはソレは、にんまりとした笑顔を見せた。

「俺は嫌がられると余計にしたくなるんだが」
「知っています、そんな事。貴方の性格の歪み具合なんて、百も承知です」
「なんだ、お前。生理か?」
「・・・・・・私は男です。それよりも何故突然そんな事を言い出したのですか?」
「ほら、賢眞より眞賢がホピュラーだから」
「は?」

鼻歌なぞ歌って機嫌よさそうな主に、双黒の賢者はため息をつく。
また、始まった。
意味不明なことを言った挙句に、人を暇つぶしに使う。
しかも、何かに熱中していると邪魔してくる。本当に性格の悪い人だ。

「突っ込みたいなら、ひっかけてきたらどうです。貴方なら、男でも女でもすぐにひっかけられるでしょう?」
「何故、そんな面倒な事をしなければならない? 目の前にお前がいるのに」

にやにやと人の悪い笑みで言い募る、一応コイビトは、駆け引きが上手い。
膝の上においていた本をサイドテーブルに置きながら立ち上がり、まだ、笑み続け、じっと見てくる主の傍に近づく。

「------------っ?!」
「て事で、やらせろ」

突然、腕を引かれて床に押し倒される。起き上がろうともがく前に、胸元に膝が乗せられ、起き上がれないようにされた。
その上で---------うっとりした声で言われた。----------------楽しそうだ。

「嫌です。何故、そんなモノを突っ込まれなければいけないんですか」
「いつも突っ込んでいるモノが何を言う」
「それは貴方がキモチイイ事がすきだからでしょう?」
「そりゃ、な。だから、つっこんでみたいんだよ」

にやにやにや。
とっても嬉しそうな笑みを口元に浮かべて、手馴れた手つきで人の服を脱がしていく。
冷静にソレを見つめ、人の胸元に唇を落としてきて、深いため息をつきました。

「---------わかりました」
「ん」
「ただし、勝手に気持ちよくなって、動くのがめんどくさいといっていけませんよ。最後まで頑張ってください」
「は?」

条件反射のように顔を上げたところで、軽く上半身を起こす。
勝ち誇っていた顔が驚きに歪んでいるところがおかしい。

「だって、そうでしょう? いつも貴方は最初、好きに上で動いてますけど、途中でめんどくさくなって人任せじゃないですか」
「・・・・・・・・」
「しかも、気持ちよくしないといけないでしょう? 初めての私をちゃんと気持ちよく手練を駆使してくださいね」
「えー」
「えー、じゃありません。いつも貴方が強要していることをこちらも求めているのです。当然のことでしょう?」
「えー」
「ああ、そうだ。貴方は駅弁が好きですよね。一度、私もそれをしてもらいましょうか」
「・・・・・・・・・・」

にこにこにこにこ。
微笑んでいいきると、傍若無人の代名詞は、不本意そうにふくれっつらになる。

「どうしますか?」
「・・・・・・・・・オマエナンカキライダ」
「はいはい。変わりに気持ちイイ事をしてあげますから」
「お」
「だって、それが目的だったんでしょう?」

上下を入れ替えて、ゆっくり体勢を入れ替えると、私の言葉に何も言わず、ただ、蒼い青い瞳がいたずらっ子のように輝いている。
流れ落ちる黒い髪をわしづかみにされ、口元をそれはそれは楽しそうにゆがめた。

「お前が言ったんだ。気持ちよくシロヨ?」

くすくす笑う唇の端に、了承の証として、唇を落とした。

 

 

 

FIN


 

いっそリバにしようかと真剣に思いました。
うん、この二人ならイケル。

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081115 あずま

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