「ねぇ。ウェラー卿」

そう名前を呼ばれて、コンラートは目に見えない範囲で、顔をこわばらせた。
この問いかけは、絶対、何かあるのだ。
特にこの顔、この笑み、この瞳。
流石に三度目となると………身構えるのも仕方ない話だと言えよう。

 

 

スキ。

 

 

 

「どうしました、猊下?」

澄んだ青い空が広がる中、二人はテラスでおやつをしていた。
中庭では、グレタとユーリとヴォルフラムが親子水入らずで遊んでいる。
遠い城壁の向こうから、微かな喧騒が響いてきて、ユーリ達の声と重なっていたが、その声も心地よく耳に響いて。

その爽やかな風景を楽しみつつ、猊下は口をつけていたカップを降ろした。
そして、桜色の唇が開かれる。

「キライって10回言ってみて?」
「………は?」

にっこりという猊下を見つめ返して。
そういえば、ユーリの世界で言葉遊びの一つにこういうのがあることを思い出した。
確か、言葉を10回言わせて、その類似言葉の問題を言わせて引っ掛ける遊びだ。

「キライって10回」
「……何か企んでます?」
「んー? べつにぃ?v」

怪しい。
いや、この人の言葉の九割がアヤシイから、今更なんだけど。

キラキラと輝く小悪魔なマナザシを受けつつ、とりあえず、いう事を聞いてみる事にした。

「キライキライキライキライキライキライキライキライキライキライ」
「うん。ありがと」
「………え?」
「僕の言うようにいってくれたでしょ? ありがとう」
「………」
「どうしたの、ウェラー卿?」

言葉は心配そうに。
だけど、目は悪戯にきらきらとさせて。

コンラートは深い、深いため息をついた。
不思議そうに見つめる漆黒の瞳を見つめ、その持ち主の肩に手を置く。

……嫌い、でなんて、終わらせたくないから。

「ウェラー卿?」
「……猊下…素直に好きといって欲しい、とおっしゃったらどうです?」
「んー? 何のことかな?v」

そういいながら、機嫌のよい笑みを浮かべたので、その細い腰を引き寄せ、額に口付けを送った。
くすぐったそうに眉を寄せた猊下の頬にそっと手を添えた。

「愛してますよ、猊下」

予定外の言葉だったのか、驚きに目を丸くした猊下が見えて。
その可愛らしい顔を楽しみつつ、微かに開いていた唇も楽しむ事にした。

 

 

FIN


素直ではない猊下に、なんだかんだといいながら、めろんめろんなコンで(ハァハァ
つか、甘いかな、これ(ぁ

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070715 あずま

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