「ねぇ、ウェラー卿」
「どうしました?」
「僕ねぇ、、、ウェラー卿の事、大嫌いv」
「……………」にっこりと愛らしい……
そのくせ、ひとクセもふたクセもある第二十七代目渋谷有利魔王陛下に仕える唯一無二の賢者、村田健はそういいのたもうた。
キライ
それはいつもの執務室でのこと。
グウェンダルとギュンターに挟まれ、執務を行うユーリが休憩タイムに入りたそうに、コンラートに目配せを行ってきた。
確かに、そろそろいい時間である。
あまり集中力のイイとはいえないユーリだから、そろそろ頭の中が飽和状態なのが見て取れた。
二人に声をかけ、紅茶の準備を行う。
ちょうど、休憩に使うソファーに猊下が肘をつき、歴史書を読んでいた。
側により、紅茶の準備に声をかけると-------------突然、そういわれたのだ。
にっこりと笑った瞳の奥は、いつものように悪戯な輝きが灯っている。
またか、と思いつつ、口元に貼り付けた微笑を絶やさない。幾ら、かなりの動揺が襲ってきていたとしても。本にしおりを挟み、肘掛に腕をついて顎を支える様は、どこまでも愉しそうだ。
それは言葉遊びがしたいという事。
この前の-----------しりとりのように。だから、コンラートはこう答えた。
「知ってますよ。猊下のキライの意味はスキって事を」
にっこりと、優しく微笑んで見せると、猊下は驚いたように目を丸くした。
だけど、それは演技のようにも見える。
すぐにいつもの笑みに戻した猊下は、淀むことなく紅茶の準備をしている俺に手の動きを見つめる。「ふぅん……」
コツコツと指を鳴らして、少し考え事をしながら。そうして、にっこりと笑って。
「それがわかっているという事は、僕がキミをキライって言ってもいいって事だよね?」
「……………猊下」流石に手の動きを止めて、猊下を見つめる。
夜空のような深い闇色の瞳は澄み切ってよどみなく、自分を見つめていて。
そのくせ、ぷっくりと赤い唇は、子供のような笑みを作っていて。ため息を一つ。
零して、そっと猊下の手のひらを取った。「猊下。俺の負けです。ですから、、、どうか、俺の事をキライといわないでください」
そして、口付けを一つ。
手の甲に落として見上げると、猊下は苦笑いを零した。「……キミは…無駄に似合うよね、そういうの」
そう呟いて、くすくすと笑い出す。
「仕方ないよね、キミのお願いだし。叶えてあげるよ」
「猊下」
「その代わり………」深い、漆黒の瞳がキラキラと輝く。
「ボクに好きっていってみて?」
FIN
コンムラーvvv
ちょっと、コンが白くなっている気がしますが……まぁ、惚れた弱みで(ぁ
こんな関係の二人がすきv
残りの人たちはどこにいったのでせうか(自分で
お気に召したらお願いしますv → web拍手を送る
070715 あずま
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