草木も眠る丑三つ時。

さて、そろそろ、眠ろうかと寝具に着替えて、寝台に入ろうと、シーツを手繰り寄せた。

「………で、今夜は、どういう作戦なんだ?」
「んー、寝込みを襲われるシチュエーションかな?」
「………そこは私の寝台なのだが」

シーツを捲れば、爽やかな笑顔の代名詞、ウェラー卿コンラートがにっこりと笑って出てきた。
完全に何かを狙ったのだろう。シャツは大きめを羽織り、袖口からはほんの少しだけ指先を覗かせている。
どちらかというと白い肌は、風呂上りのせいか、ほんのり赤く色づいて。
鼻をくすぐる石鹸の香り。
風呂で温まったせいか、、、濡れた舌で舐めたせいか、、、、、赤い唇が、うっすらと開かれる。

 

「じゃぁ、俺が襲う方でv」
「………………は?」

 

 

 

 

攻め対攻め(?)

 

 

 

 

確かに、侮ったところがあったと認めよう。

「グウェンって見かけによらないよね」

サラサラと衣服がすべる音がする。

「ほら、いつも室内での仕事が多いから」

だけど、いつもはどこか冗談ですませる事が多くて。

「結構、いい筋肉がついているよね」

肌を唇で移動し、ちゅるり、と吸う音が続く。

「では」

だから、今回もそうだと思っていたのだが。

「イタダキマスv」
「-----------------っ!」

何故、こんな絶対絶命な状態になっているのだろうか?

 

くちゅり、と濡れた音が響く。
指を滑らせ、衣服が耳に優しい音を立てて、肌蹴ていく。

んが。

「……コンラート。コレを外せ」
「え?」
「え?、じゃないだろうが」

軽い返事に頭が痛くなる気がした。
本当なら、頭を抱え込みたい気分だが、後ろに手を拘束されてしまっているので、それも出来ない。
全く、どうしてこんな事になってしまったのだと、人の股間の間で遊んでいる過激なコイビトを睨みつけた。

「グウェン」
「なんだ」
「不感症ですか?」
「………は?」
「こんなに舐めているのに、勃ちませんよ、コレ」

そういって、人のモノを握り締めたままで、コンラートは顔を上げた。
その口回りには、溢れ出た涎でべとべとになっている。
見上げる顔。潤んだ目。瞳の奥底にゆらゆらと欲情を揺らめかせて、いつもの爽やかさがまるで嘘のように淫靡な雰囲気を醸し出している。そのギャップに、思わず、喉を鳴らすものも多いだろう……が、グウェンダルは全くの動揺も見せない。

「おかしいな。これでも数十年磨いたテクなんだけど……」
「どこに話しかけているんだ、お前は」

これ以上もなく眉間に皺を寄せ、更に深くして、ついでに地を這うような声を出したが、コンラートには利かないようだ。
人のモノをぷらぷらふっては、舐めたり甘噛みしている。

「うーん。確か、俺の情報では、男相手も出来るはずだから、勃たないはずがないんだけどなぁ……」
「……………」

ドコカラシイレテキタンダ。ドコカラ。

少し、居心地悪くなったグウェンダルに、コンラートはにっこりと笑いかける。
こういう時のコイビトには素直なほうがいいのだ。素敵な報復をされるのはグウェンダルだって回避したい。

「ぐうぇん?」
「………100年以上生きているのだ。それぐらいコントロールできなければどうする」
「……ふーん?」

ため息を一つついて、正直に答えてみせたが、腹黒いコイビトはイマイチ納得しなかったようだ。
するり、と無骨だが長い指を肩にかけて、膝に乗り上げてくる。
白い、大き目のシャツの間から、素足が見え、、、少し、熱くなっているコンラートのモノが足に当たる。

「コンラート?」
「俺に魅力を感じない、グウェン?」

誘うように、吐息のように、囁くように。
----------だけど、瞳の奥に、一瞬だけ、恋しげな切なさを煌かせて。

もう、諸手を上げて降参するしかない、とグウェンダルは思った。
色々とあったが、目の前にいるのは、可愛い義弟ではなく、愛しい恋人なのだ。
欲しい、と思うのは、当然なのだから。

ふ、と息を落として、口元に微かな笑みを浮かべ、コンラートの唇を掠めるように触れる。
驚きに目を見張った恋人に、グウェンダルは白旗を振ってみせた。

「魅力がないわけではない。ただ、こういう事は二人でするものだろう?」
「あ……」
「これを外せ、コンラート」

それは、つまり。
この弟らしからぬ、察しの悪さに、つい口元から笑みが零れる。

そうして。
その意味を理解したとき、見たことないほどの、綺麗な、綺麗な微笑を見せた。

 

 

 

 

 

「で、これは仕返しですか?」
「いや。借りを返しただけだ」
「………」

幾つも幾つも口付けを落として。
強請って開かれた唇に舌を差し込むと、あっという間に絡み取られた。
いつも、何を考えているかわからない態度からは想像できない早急さに、少しだけ呆れて。
だけど、そこまで餓えている姿に、思わず、待ったをかけたくなるのは、この義弟の姿が珍しいから、、、という事にして置こう。

既に肌蹴られていた服を脱がされる。
同じように、シャツのボタンを一つづつ、素肌に滑らせながら外していくと、その感触がじれったいのか、口付けがより深くなる。

 

-----その隙を狙って、両腕を拘束してみせた。
先程の仕返しである。

 

ついで、とばかりに、キスの主導権も奪い返す。
ゆっくりと寝台に押し倒しながら、唇を食み、舌を絡めて、口腔内を嘗め尽くす。
溢れる涎には興味がない。ただ、吐息があふれ出すように、唇から、首筋へ、舌を這わせた。

「………っ!」

初めての行為だ。
どこがどう反応するかわからない。だからこそ、ゆっくりたっぷりねっとりと舌で刺激した。
時には、歯を立て、強く、吸い上げて。
その都度、恋人は息をのんだり、弾ませたり、と愉しい反応を見せてくれる。

「……親父、っぽい、、、」
「ほっておけ」

拘束で動けないコンラートが恨みがまし気に睨みつけてくる。
その行為が煽る行為だと、この恋人は知っているはずだ。なにせ、数十年の技があるらしいから。
だから、煽る義弟の要望どおり、既にツンと立ち上がっていた乳首にを口に含んだ。

「ん………っ」

良い反応である。首を横に逸らして、声を殺そうとしている。
が、親父といわれたので、親父らしく、ソコをコリコリと指で転がし、かりっと歯を立て、ねっとりと舌を這わせた。
すると、あいている方が寂しそうにとんがっていたので、柔らかくなるように、優しく撫でてみせた。

「はっ、、んっ、、」

赤く色づいたソコと赤く染まる肌。赤い吐息がよい感じに零れ落ちてきて、今度は手で触れていた方に唇を這わせた。

「……っ、意地悪、、、してま、せ、ん?」
「そんなつもりはないがな?」
「………っ!」

答えて、かりっと色づく乳首を噛むと、顎をのけぞらせ、息をかみ殺した。
恨みがましく見つめてくる目に気付かぬふりをして、引き締まった腹に口付けの痕を残し、内股に指を滑らす。

「反応してるな」
「欲望に忠実なだけです」

拗ねたようなも取れる口調に、可愛らしさしか伺えない。
ふるふると震えながら立ち上がっているソレに指を絡めただけで、びくり、と大きく震えた。

「……ぁっ、んん……っっ」

内股を強く吸うと、足までもが大きく震えた。再び、吸い付くと、再び大きな震え。
面白いほど素直な反応を示すくせに、逃れようと足が動くので、片足を肩に担ぎ、抱きしめるようにして、吸い続ける。

「はっ、あっ!」

手の中のソレも大きく震える。
掴んだ指先で、小さな口をこすりあげると、ぬるり、と白い液体が出てくる。
まだ、そんなに触れていないのに。
言葉には出さずにいたのに、コンラートがびくびくと震えながら、答える。

「ずっ、と、、、グウェンが、ほし、かったか、ら………っ!」
「……………」

思わず、グウェンダルは顔を上げた。
コンラートは真っ赤な顔に瞳を濡らして、こみ上げる欲情に耐えるように唇を噛み締めている。

「全く………」

グウェンダルは長い自分の髪をかきあげた。
はっはっと、短い息を繰り返しながら、コンラートが相手を見上げる。

「ぐうぇ……?」
「手加減はしないぞ、コンラート」

大胆にも宣言すると、コンラートはきょとん、と場違いな表情を見せた。
そして、

「望むところです、グウェン」

 

 

 

 

「ふ…っ、ンン、ん、ぁっ!」

艶やかな声と濡れた音が響く。
くちゅくちゅと音を立てているのは、唾液と白い液体にまみれているコンラートのソレで。
一通り色んな事をしてみたが、今のところは根元まで含んで、張りのところをちろちろと舐められるのが好きらしい。
途端に大きくなって、先端からじわり、と液が溢れてくる。
声も、艶やかさが増す。こんな高い声を出すんだな、と新しい発見に心を躍らせ、更にイイ声が出る場所を探す。
キツク根元を押さえている指も、べとべとになってきた。そのぬめりを利用して、舌と指を同時に動かすと、
更に甘い嬌声が飛び出し、たまらない、と言わんばかりにコンラートが首をふっている。

「ぐ、うぇっ……っ! ねちっ、、、こっ、、、、ぁぁっ!」
「そうか? 初めてなのだから、しっかり触れないと駄目だろ?」
「ぅんっ! も、そろそ……っ、、、ぁぅっ!」

口うるさいのは好きではないので、大きく吸い上げた。その刺激に大きく腰を震わせたが、
根元を持っているので、イく事は出来ない。
はっはっと短い呼吸で体を落ち着かせようとしているコンラートに、小さく額に口付けを落とす。

「……こんなのだとは思いませんでしたよ」
「お互い様だ」

目元を赤くして睨みながらコンラートがいう。まだ、呼吸が乱れたままだ。
口元には涎の痕も残っていて、赤い舌がちろり、と見える。

「どうしました?」
「突然だったから、用意が出来ていなくてな」

男は自ら濡れる事はないのだ。しっかり濡らさないといけない。
だが、襲われたグウェンダルにその準備が出来ていないのは当然で。
取りに行こうかと寝台を鳴らした時に、コンラートが顔を背けて枕元を見た。

「……枕の下に準備してますよ」
「ふぅん?」
「----------------え」

そう言うと思った。
グウェンがにやり、と笑みを口元に刻んだのに、コンラートが嫌な予感がした。

足首を掴んだ。
え、と驚くコンラートを余所に、うつ伏せに這わせ、腰を高く上げさせた。
両腕は後ろに括っているので、コンラートは枕に頬を押し付けながら、振り返った。

「ちょ---------っ、ひ、あっ!」

引き締まった尻を開かせ、驚きに力が入ってしまったソコに舌でつつく。
びくり、と綺麗に引き締まった大腿が揺れ、少しの間放置していたソレがぴくぴくと反応しだす。
そこを片手で持ち、まだ残っているぬめりを利用して摩りながら、口から唾液を塗りつけ、舐めていく。

「ふっ、、、ん、あっ!」

丁寧にひくひく揺れる襞を舐め、時に舌を差し込む。絡めていた指で亀頭口を刺激し、玉の下にある筋を撫でる。
突然の刺激の大きさに、コンラートから余裕のない声が漏れ出した。

「……ぁ、、、ぁあ!」

絡めていた手のひらが良く濡れた頃に、その指をゆっくり差し込んでいく。
まずは一本。人差し指を差し込む。きついが動かせないわけではない。
指を入れたことでできた道に更に舌を差込み、濡れないソコに、唾液を流していく。
すぐに柔らかくなって、一気に二本、根元まで入れると、ひっ、と空気が引き込まれる声がした。

「どうしたんだ、コンラート?」
「------------っっ!!」

本人は普通に微笑んだつもりだが、コンラートにとっては、底意地の悪い笑みにしか見えない、
枕に顔を押し付けたまま、き、と睨みつけた。

その顔に、グウェンダルの笑みが深くなる。
本番は、これからだから。

 

 

 

くちゅくちゅと淫猥な音が響いて、コンラートは舌打ちしたいほどの羞恥を感じた。
もう自分もいい歳で、それなりに経験もあって、今更、恥ずかしいなんて思うとは思わなかった。

グウェンの指は無骨な指で、あみぐるみを作れるほどの器用さもある。
指も長く、ペンを持つのにあまり似合わない、と思っていた。

--------------その指が。

内腔を擽る。
あの、無骨なくせに器用な指が。

うつ伏せにされ、全く見えないからこそ、頭の中で思い出した。
角ばった指が-----執務室でペンを握る指が、まさか、自分の中をかき回しているなんて。

「あ、ぁぁっ!」

リアルな感触が、より想像を豊かにさせられて。
羞恥心が快感を煽る。
自分で自分の体が震えているのがわかる。
一切の余裕を奪われているのが悔しい。
相手は---人の反応を見て、くすくす笑っているというのに。

「ね、っ、そろそ、ろ、離しませっ、、、んんん!」

腕を括られていることで、自分の体を支えられず、顔は枕につっぷしたまま。
零れた涎のしみが目の端に入って、このまま理性を放棄したくなった。

結局、こんなにも体が反応してしまうのは、グウェンだからなのだ。
気付いたら、無二の存在になっていた。
最初は諦めて、何も望まなかったけど。
募る想い。溢れ出そうになる感情。
気が狂いそうなほど胸を締め付けられ。
切なくて。切なくて。切なくて。

「…………コンラート…?」

--------あの日。
口付けられた日を、今でも覚えている。
二度と流す事はないだろうと思っていた涙が、ほろり、と零れた。
愛しくて。愛しくて。愛しくて。

「すき、、、すき、、、ぐうぇん………」

喉が締め付けられる。

 

愛しさだけが-------------溢れ出てきて。

 

 

 

枕に頬を押し付けて。
喘ぎもれる声。零れる涎。快楽に潜められた眉。
赤く染めた頬に煽られた。同じように赤く染まった目にも。潤んだ瞳にも。

だけど。

見上げて、呟いた言葉に心が締め付けられた。
泣き出しそうな唇が戦慄いて、堪えるように噛み締めている。
縋りつくような、瞳。

一度は何もかもを諦めたのだ、この義弟は。最後に微笑みだけを残して。
その義弟が、ユーリに出会ってから変わった。
再び、大切なものを見つけて、それを生きがいにした。

そして。

「あ……………っ、、、ひゃぁぁぁあ!!」
「………っっ!!」

両手で腰を高く上げさせて、一気にソコに貫いた。
いきなりの衝撃に息をつめたせいか、かなりキツく絞められる。だけど、その拘束感も気持ちよい。
二度三度、馴染ませるように腰をゆるやかに動かせた後、一気に激しく突き入れる。

「ひぃっ、ぁっ、、あ!!」

慣れないままに大胆に動いているせいだろうか。
ただただ、収縮して、狭い。きつくて、少し動きが制限されてしまう。
だけど、それがどこか初々しく見せて、普段見せている義弟のそつのなさとのギャップがたまらない。
引き締まった尻にぽつぽつ鳥肌が立っていて、それが余計に煽られる。

「ぐうぇ……っ、も…と、ゆっくり、、、して……っ!」
「何故だ?」
「かんじ……過ぎて………ぁ、、、あああっ!」

そんな事を言われて、止まる人間がいるはずがない。
潤んだ瞳からは、すでに涙として零れ落ち、いつもの清涼とした姿なんて、思いもつかないほどの淫靡さだ。

腰を支えなおし、足を持ち上げ、一気に体を持ち上げ、更に深く突き上げる。
先走りの液のおかげで、滑りやすくなったトコは、どろどろになって、熱く、そして、搾るようにうごめいていて。

大きく腰を振ると、面白いように、コンラートの体がゆらゆら揺れる。
抱えた足は、つめ先まで力が入っていて宙をひっかいているし、腕は束縛したままで、繋がっているのは腰だけのせいだろう。
顎を上に突き上げ、がくがくと振るえ、コンラートのものもふるふると震えている。

「手を………っ、、、はなし、て……っ!!」

限界を訴えられる。
そういえば、根元をキツクしめていたのだ。いかないように。
だけど、離さずに反対に小さく刺激すると、あ、あ、と断続的な喘ぎ声になる。
もう、かなり苦しいのだろう。涙も涎も伝い、目がうつろになっている。
いきたくて、自然に揺れる腰も、安定がないせいか、思うように振れず、それが更に欲情を駆り立てるのか、
グウェンのモノをきつく締め付ける。

「ぐうぇ、、、おねが……っ、いかせて……ぇっ!」

その言葉は、ずくん、と腰を直撃された。恐ろしいほどの痴態。
本当なら、もう少し苛めて啼かそうと思っていたが、一気に限界に近づく。
一度、自分のモノを抜き、コンラートを仰向けにして、再び、差し込んだ。

「ひ……あっ、、、ああっ、あああ!」

足を開かせ、太ももを鷲づかみにして、腰を振ると、きゅうきゅう絞まるそこが色づいているのが見える。
赤く染まったソコを押し開かせ、突き上げると、まるで花開いたようだった。

「ぐうぇ…っ、グウェ……ンっ!!」
「………っっ!!」

入り口の襞を引き裂き、内腔をかきまわし、イイ所を突き上げて。
一際、イイ部分を擦りあげ、拘束していた手を離すと、勢いよく白い液体が噴出した。
それに合わせて、搾り取るように吸い込まれて、同じように、ナカに出す。
お互いが荒い息を吐きながら、顔にキスを落としていると、コンラートが息を吐きながら、微かに震えている。

「……どうした、コンラート?」
「……気持ちよすぎて、体に力が入らなくて……」

掠れた声が答える。

「……ぐうぇ…?」

思わず、行動が停止したグウェンダルをコンラートが不思議そうに見つめる。
まだ、頬を染めて、目元を濡らした状況なのだ。それは煽っているとしかいえない。

「……え、グウェン…っ?!」
「まぁ、誘ったのはお前だからな」
「え…っ? って、ちょ……、グウェンっ、も……、ムリ…!!」

ぐいっと、足を抱え上げても、言葉以上に体が拒否していない。
……というより、動かないのだから、拒否しても拒否のうちに入るわけなく。

まだ、ひくひくと蠢き、白い液が零れるソコに再び、熱くなったモノを差し込んだ。
声なく、背をのけぞらせたコンラートに、グウェンダルはそれにも煽られて、深くその体を貪った。

 

 

 

 

 

「……ヘンタイ」
「……………」
「助平」
「……………」
「むっつり」
「……コンラート」

すこしきつい口調で言うと、好き放題いっていた義弟がくすくす笑う。
グウェンダルが身だしなみを整えるなか、コンラートは白いシーツに包まり、うつ伏せで枕を抱きしめて見上げている。
シーツの中は裸だ。シーツからはみ出した肌に幾つもの赤い痕が残っていて。

別に怠惰にシーツに包まっているわけではない。目が覚めて、立ち上がろうとしたら、腰から下に力が入らなかったのだ。

「……陛下の護衛にはヨザをつけさせる。今日は一日寝ていろ」
「……………」
「コンラート?」

先程までは、機嫌よさそうに笑っていたのに。
少し拗ねたように枕に顔を伏せてしまっている。

「コンラート?」

支度が出来て、枕元に座る。
窓から入った日差しが、茶色の髪を反射させていて、その柔らかい髪を撫でた。
少しの間、そうしていると、不承不承に顔を上げて、小さく息をついた。

「コンラート?」
「………こんな日ぐらい、側にいて欲しいと思うのは、俺だけですか?」
「………」

小さい声で言ったが、それは明らかに拗ねた……甘えた言葉。
自分で言って、恥ずかしいのだろう。少しだけ頬を染め、視線をふいと逸らしてしまった。

そんな姿、はじめて見たもいっても過言ではない。
この義弟は----------あまりわがままなんて、言わないのだから。

くすり、と笑みが零れた。

「じゃぁ、今日はお前の希望通り、この部屋で過ごすことにしよう」
「え?」
「--------たまには、お前の陛下にも働いてもらおう。いいだろ?」

グウェンダルの提案に、がばり、と顔を上げた。
明らかに期待していなかったのだろう。そんな顔して、コンラートはグウェンダルを見つめている。
その顔もまた、珍しいと思いながら、コンラートの額に口付けを贈った。
冗談ではない---グウェンダルが冗談なんていわないと知っているが---提案に、コンラートが嬉しげな笑みを浮かべた。

「たまには働いてもらいますか、ユーリに」
「後、猊下にもな」
「……え?」
「どうせ、今回のことも猊下が噛んでいるのだろう? 今日、二人して朝食に出て行かなければ、事情を悟ってくれるだろう」
「えぇ、まあ……って、グウェン?」

腕を持ち、仰向けにさせる。
その意を悟って、慌てるコンラートの表情を愉しそうに見下ろし。

「朝の挨拶がまだだったろう?」
「挨拶だけでいいで……ぅんんっ」

昨夜の熱がまだ残っている体なのだ。
そんな濃厚な口付けをされたら、あっさりと高ぶってしまう。

それでも、そんな講義は聴かないとばかりに、グウェンダルは繰り返し、口付けを行い。
数度目の口付けの後に、コンラートは白旗を揚げて、、、、グウェンダルの背中に腕を回した。

 

 

 

 

FIN

 

 


久しぶりに読み直すと、もっとえろく書きたかったと後悔(ぁ
えろというより、シモネタに気分が。。。

つーか、普段へたれの兄上がその時に鬼畜化する姿がイイ
で、翌日は頑張りすぎて起き上がれないご老体(はあはあ

お気に召したらお願いしますv→ web拍手を送る

080714 あずま(編集/初出 070604(第一話

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