ここにキスのお題 サイト名 : COUNT TEN. より |
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01. | 伸びた前髪 |
02. | 熱い額 |
03. | 涙の瞼 |
04. | 冷えた頬 |
05. | 隠れた耳 |
06. | 甘い唇 |
07. | 密やかな項(うなじ) |
08. | 痩せた鎖骨 |
09. | 華奢な指 |
10. | 広い背中 |
01. 伸びた前髪
それは、何気ない日常。
「ずいぶんと前髪が伸びたな」
それは、俺が執務室から出て、グウェンが入ろうとしたときだった。
義兄の顔を見るのは久しぶりだった。この二ヶ月ほど、領地であるヴォルテールに戻っていたから。
そして、本日、これまた久しぶりに戻ってきた魔王陛下の政務の手伝いに来たのだ。それにしても。
久しぶりの恋人にかける言葉が、それとは寂しい、と思ってしまう。骨ばった指が、前髪を攫う。
「えぇ。そろそろ切ろうかと思って」
髪に触れると、指先が滑るように額に触れた。
たったそれだけなのに、どくん、と小さく鼓動がなる。
たったそれだけで、幸せな気持ちになれるなんて。
もう、幾つもの恋もして、唇も指先も、体も重ねてきたというのに。こみ上げる喜びと、そして、今更、と思う羞恥心が微かに頬を火照らせて。
誤魔化すように言葉を綴ろうとしたら、不意に視界が翳った。「……ぇ」
攫われた前髪に、触れる唇。
見上げた先には、間近に迫っていた、静かな瞳。唇が唇に挟まれる。
啄む口付けが、二度、三度、繰り返され。
ぺろり、と唇を舐められて、顔が離れた。
つめていた息が、熱く、零れる。「最低、二時間は休憩をいれるな」
誰の、とは言わず。
グウェンは扉の前で立ち止まると、ノックを行い、扉を開けると、中から明るい陛下の声がかかる。
すみません、陛下。
先手を打たれてしまいました。と、心の中で謝ってみて。
微笑を零して、唇に手を当てた。
FIN
えー、現在、ちゅー祭り開催中のあずま。。。
書いてて愉しかった〜〜〜vvv
だけど、コンの名前も出てない話☆
ちょっと、らぶらぶカナ?v
070331 あずま
02. 熱い額
穏やかな春風が城を包む。
昼を過ぎ、耳元を心地よく嬲る鳥の声と過ごしやすい温かな気温が気持ちよい時間を作り出していて。
ともすれば、眠りにつきそうな陽気は、警備兵にとって、最大の敵かもしれない。そんな中、コンラートは城の中庭にいた。
ただ、少しあいた時間に散歩に訪れていただ。
春の庭はとても綺麗で、、、更にいれば、昼寝に最適なのだ。コンラートはいつもの場所に行くために、足を速めた。
温かい零れ日が頬を照らし、ほんのり冷たい風が、髪を撫でていく。
昼寝といっても、深い眠りではない。
意識が沈むか沈まないかをゆらゆら揺れて過ごしているのだ。
それがとても気持ちよい。今日もいつものように、意識を揺らめかしていたら、不意に足音が聞こえた。
足音はただ一つ。
どうやら、ここに向かっているというより、散歩をしているのだろう。
足音が不規則で、ゆったりとしていた。意識を揺らめかせながら、足音を聞いていると、それは徐々に近づいていた。
パキン、と木片を踏んだ音と、小さく息を飲んだ音が聞こえた。
まさか、人が寝ていると思わなかったのだろう。
起こさないように、と気配を殺している。コンラートは寝たふりを続ける。
この気配なら、相手はそのまま離れていくだろうと思ったから。
-------------なのに。
数秒後に訪れたのは、額に落とされた、少し冷たい、感触。
厳かに触れて、そっと離れていく。
そして、静かに気配は離れて行った。
人の気配が消えて、コンラートはそっと目を開けた。
ゆっくりと視線をめぐらせても、当然ながら、相手はもういない。コンラートは深くため息をついた。
相手は誰かわからない。
相手は息を殺して声も出していないし、自分も目をあけたわけではない。--------だけど。
そっと、額に手を置いた。
指先で、触れた箇所をなぞる。額が、熱い。
あの唇は、冷たかったのに。
「グウェン………」
FIN
ほら、アレです。
気配で相手に気づいたんですよっ←欄外で説明シテルシ熱い額、となれば、熱かなっと思いましたが、
既に書いているので、こんなカンジにしてみましたv070410 あずま
03. 涙の瞼
それは、まだ、幼い時の記憶。
ソコは驚くほど広かった。
緑が蔽いしげり、その片隅から見える白い建物は、青い空につき向けていて。
日が反射して、きらきらと光る。それは目がちかちかするほど。
見上げながら歩くと、圧倒されて倒れこんでしまいそうだ。ココはははうえの家だ。
ボクの家でもある。
ただ、あまりにも広くて----------------ははうえのトコロにたどり着けない。ただの散歩のつもりだった。
ははうえとちちうえが話をしている間の。だけど--------------------------。
「ここ、、、どこ……?」
声に出して言うと、余計に心寂しさがあふれてきた。
さっきまで、きらきら光っていたそらは、徐々に黒くが広がってきていて。
早歩きして、まわりを見渡す。誰もいない、誰も。
それは、あたかもこの世に自分ひとり、取り残されたような気持ちになって。
-------------後ろから、何かがついてきているような気がして。何がこわいんだろう?
何故、こんなに怖いんだろう?--------------怖いって、どうして?
自覚すると、胸が躍りだした。
早足が駆け足になり、全力疾走になるのに時間はかからず。
訳のわからない恐怖心に煽られ、必死に足を動かすが、冷静になれない足がもつれるのは当然の話で。あ、と思ったときには、つまずいていた。
バランスが崩れる感触。訪れる浮遊感。そして、急激に下降して、咄嗟に次に訪れる痛みに目を閉じる。まるで、スライディングのように滑って、額と手のひらと膝に痛みが走る。
痛みに顔を顰めたのは一瞬。
背後からの恐怖を思い出してしまい、慌てて立ち上がった。
「………誰だ?」
「--------------------------っ?!?!」突然の背後からの声に、飛び上がりそうになった。
恐る恐る振り返ると、そこには草木から出てきた--------------義理の兄。「コンラー……」
「あにうぇぇぇ------っっ!」何がどうこうより。
見知った顔に安堵した。痛みを忘れ、恐怖がなくなり、衝動のまま、義理の兄に抱きついた。
義理の兄は飛び込んできた小さなかたまりに眉を潜める。
安堵のあまり涙まで零れて、その自分より大きな胸に縋りついていたので、そんな義兄の様子に気付かない。
ただただ、胸に安心だけが広がって。
「コンラート……」
低い、低い声が耳元に響く。
びくり、と思わず肩を揺らしてしまった。この義理の兄とは仲がよいわけではない。悪いわけでもないが、距離を置かれている事は幼心に気付いていた。
我に戻ると、すごく恥ずかしい事をしている。なれなれしい事も。
何を言われるのか、おずおずと顔を上げると、眉を顰めたまま、深いため息をつかれてしまった。「あ、あの………っ」
「………泣くな」
「ぇ………っ?」目蓋に触れたのは、唇。
驚いて見開くと、次は反対側の目蓋に。
驚きに体を硬直させていると、ひょい、と抱き上げられた。「あ、あにうえ?」
「……………」もう、視線も合わせてくれなかった。
そのまま、歩は進められ、やがて見知った所に出るのだが……………。
「-----あの時は驚いたものです。幼心に落とされたと思いましたからね」
「へーぇ。フォンヴォルテール卿もやるねぇ」
「でしょう? それなのに………」
「それなのに………ねぇ?」
「……………」眉間にふかーい皺を刻んで、策士二人の視線を流したのは、懐かしい記憶に登場したグウェンダルだ。
彼はいつものように執務机に向かい、いつものように政務にせいを出していた。
ちなみに魔王であるユーリは婚約者と王佐に追い掛け回されている。
そろそろ悟りを開けそうになる一歩手前。
何故か、腕の中にいる義弟---------膝の上に座り、背中に腕を回してにっこり微笑んでいる---------何故だ。
決して華奢といえない体が机と体の間に入り込んで、ぴったりとくっついている。
ちなみに大賢者は長椅子にうつ伏せに寝転び、足をぷらぷらさせている。
当然、口元にはにやにやとした笑みを貼り付けて。「こんなにも密着しているのに、何も起きないのはどうしてなのかな?」
人前で何をしろというのだろうか、この義弟は
「やっぱり、幼い時は無自覚にたらしているんじゃないかなー」
たらした覚えはない。
「まぁ、大人になれば不器用になるのも頷けますけどね」
お前はいつでも要領はいいとおもうが。
「うーん。でも、フォンヴォルテール卿の歳なら、ある程度のかけひきは出来ていいんだと思うけどなぁ」
………猊下の悪ふざけは出来すぎです。
好き勝手に言う二人に心の中で深くため息をついた。
結局。忙しさに構わなかったのと、暇つぶしに遊ばれているだけなのだ。いつもの如く。
心の中でそう結論付けてしまうと、眉間に力が入った。
それを義弟がうにうにと遊んでいる。猊下が羨ましそうに見ている。悟りを開くか迷う一瞬だ。「コンラート」
「はい?」
「……………」にっこりと返されて、グウェンダルは何も返せなくなる。
どうやってこの義弟を引き剥がして、仕事を再開させようか、真剣に悩む。
その悩みを気付いているのか、にこにこと笑い続けるコンラート。グウェンダルは諦めたように、深いため息をついた。
「コンラート」
返事をする前に、顎を捉える。
見上げてきた瞳は、どこか幼く見えて、、、あの時の義弟を思い出した。触れるだけの口つげを、右の目蓋に落とす。次に左の目蓋に。
おやおや、と言わんばかりの猊下が目の端に入ったが、すぐに花が綻ぶように微笑んだコイビトに目が奪われた。「あの時から、貴方が好きだったんですよ?」
「……………」そう言って、額に唇を押し当てて。
膝から降り、猊下に声をかける。「そろそろ陛下を救いに行って、、、お茶の時間にしますが、猊下もどうです?」
「ん。頂こうかな? 出来れば甘さのないものを」
「では、ヨザを連れてくればいいですね」
「ははは。ウェラー卿も黒いねーv」
「いえいえ。双黒の大賢者サマには負けますからv」「……………」
では、という言葉とニ・三の辞去の言葉と共に、二人は執務室から立ち去った。
グウェンダルは、やっと落ちついた、とばかりに大きく息を吐いた。
『あの時から、貴方が好きだったんですよ?』
そんな事、初めて知った。
自分は---------気づいたら、好きになっていたというのに。だけど。
いつも特別な存在だった。
あの男の息子で。半魔族で----------義理の弟。初めての--------弟。
人との間の子、という事で、その当時は複雑な思いであったけれども。
今でも、覚えている。
母親から、生まれたての義弟を渡された時の事を。無理矢理、母親から渡されて、しぶしぶ抱きしめたときの---------------
腕にかかった重さと、胸に触れた温かさと、目に飛び込んできた-----------------無邪気な微笑を。
FIn
相変わらず、勢い書き☆(キャッ
らぶらぶーな二人v 猊下はいなくても良かったかなぁ(笑
だけど、ネタと文章がヘタクソで軽く落ち込んでみる
うーーーん。ナニガイイタインダ、アズマ
04. 冷えた頬
「コンラート」
「グウェン?」何故、ここにいるのか。疑問に思いながら、肩に積もっていた雪を払う。
ここは血盟城の近くにある丘の上だ。今は陛下はいない。
来た当時は降っていなかったのだが、ぼんやりしているうちに振り出してきたのだ。馬から下りてきた義理の兄は、相変わらずの顰め面である。
見るからに高級な毛皮を羽織、地に降り立つ様は、威厳に満ち溢れている。
ユーリが見れば、魔王、魔王!と叫んで喜ぶかもしれない。あながち、間違っていない自分の想像に笑みを落とすと、グウェンダルは眉のしわをやや深め、
片手に持っていたもう一つの毛皮を肩に羽織らせてくれた。「ありがとう」
「……………」ふんわり、と笑ってみせたのに、コイビトはお気に召さなかったようだ。
眉間の皺が、一つ、増える。雪が降り続く。
そっと伸ばした指先に雪が解けて。
指先にたまっていく水をじっと見つめて。薄く手のひらに水がたまった頃、心の中でため息をつきつつ振り返った。
そこには先程から微動だにしないコイビトがいる。
困ったように笑ってみせて、濡れていない手で、そっとその長い髪に絡みついた雪の結晶を払う。「そろそろ、城に戻らなくていいのかな?」
暗に、立ち去って欲しいと、懇願にも似た思いで口にしたのに。
「冷えたお前が温もったら戻ろう」
「……………」無表情で言い捨てて。
だけど、付き合いの長さから、瞳が薄く細められたのに気づく。「………じゃぁ、温めてくれるのかな?」
そう問うと、掻っ攫うように抱きしめられた。
激しい動作に、思わず目を見張ってしまう。「グウェン……?」
「……お前に、、、雪は似合いすぎる」頬に手を当てられ、呟かれる。瞳には鈍い、ひかり。
その手のひらが大きくて、温かくて、、、、心にしみてきて、自然に笑みが浮かぶ。「何もないよ。時々………憂鬱に浸りたくなるだけだから」
そう。ただそれだけの事。
あの、赤い大地を見たときから、、、時折訪れる気が狂いたいほどの感情の嵐に疲れてしまうだけ。「……貴方が、、、温めてくれるから……」
それでいいんだよ。
そう呟いて、そっと目を閉じる。
ふわり、と落ちてきたのは、冷えた頬への口付け。
FIN
冷える=雪、で、とてつもない季節外れのネタ☆
年配かぷーとして、しっとりしてもらいました。
なんだか、微妙に気障っぽいグウェンが最近、お気に入りです。書いてて愉しい(ばく
05. 隠れた耳
黒に見間違えそうな灰色の髪が揺れる。
無造作に束ねているのだが、元々の髪質が固いのか、そんなに纏まりは悪くはない。
風に流れるさまは、元々の風格を倍増して。
そのくせ、首筋に伝うように沿うと、男の色気となっている。
「……どうした、コンラート」
「んー?」
「………」いつもの執務室。
いつもの風景。
いつもの互いの距離。コンラートは執務を続ける恋人の背もたれにもたれ、グウェンダルの髪を弄っていた。
元々、長い髪だが、据わっているグウェンダルと立っているコンラートでは、距離は近くとも、時折、引っ張られてしまう。
別に髪を弄られるのが嫌いではないが、執務に集中できないのが、いただけない。
構って欲しいという、無意識の行動だと………密かに甘えている姿と知っているので、
思わず、口の端が上がりそうになるのだが。「コンラート」
それでも、逃げ出した魔王陛下とそれを追いかけた王佐と婚約者の達のせいで、一人でこの書類の山を片付けないといけないのだ。集中しないと------------今夜も逢うことが出来ないだろうから。
「……………」
少しつよい口調で言った事で、髪から手が離れたのを感じた。
不満げな、雰囲気も。「グウェンなんて、嫌いだ」
「コンラー---------------」子供じみた言葉に今までと違う雰囲気を感じて、振り返るのと、両肩に手を回されたのと同時だった。
そして------------------「……………っ!?」
「嘘」耳に熱い息を感じた。
と、思ったら、耳に湿った感触と言葉が届いて。そのまま振り返ったら、銀の虹彩をちりばめた瞳が、悪戯に輝いていた。
「俺を邪魔者にするんだから、今夜は早く終わるよね?」
にっこりと微笑んだ笑顔。
脅迫に近い言葉を述べた、最愛の恋人に。
グヴェンダルは一つ、ため息をついた。
そして、降参の意味を込めて、恋人に約束の口付けをおくった。
FIN
らーーーーーーぶっ!!!(何
久しぶりに二人を書いたららぶらぶになったんではないかとvえへへ
06. 甘い唇
唇に、触れる。己の唇で。
まずは、掠めて、微かに食んで、下唇を舐めて。
下唇を舐めた後は、再び、唇を食む。先程より深く。
繰り返し、繰り返し、啄んで、深くしていって。
吐息が零れたら、それは侵入を許すという事だから。舌を使って、食みながら、舐める。
無理矢理、唇を開かせるのではなく、自ら開かせるために。
二度、三度と角度を変えながら、時折、軽く吸って繰り返すと、
必ず、相手はじれったそうに声を漏らし、舌を差し出してるくるのだ。
瞬時に、それを絡みとり、今までとは違って、深く深く口腔内を貪る。
その時に、相手の呼吸も奪うように激しくする。噛み付くように口を開き、奥の奥まで舌を伸ばす。
鼻からは切なげな息が抜けて、口の端から唾液が零れそうになると、深い口付けを辞めて、零れる唾液を追って、舐め取る。そして、喘ぐように呼吸を整える唇に、触れるだけの口付けを落とす。
一つ。二つ。三つ。
三つ目で必ず、再び、呼吸を乱れさせるように、舌を差し込む。
「んん」と、抗議の声がするが、そこは力づくでねじ伏せて。
再び、唇を重ねる。舌を吸う。唾液を交換し合う。
うっすら目を開けると、目元を鮮やかな赤に染めていて。睫毛が震えている。
背中に回された指先が、縋りつくように爪を立てていて。
この姿を見れるのは、自分だけだろうと。自分以外、誰にも見せる気はないのだと。後ろの髪を引っ張り、顎を上げさせ、更に深い口付けを出来るようにする。
喉の奥で鳴る甘い声に、更なる情欲が高まっていく。
「ぐ、ウェ、、、、っ、もうっっ!!」
ぐい、と後ろの髪を引っ張られ、キスを中断された。
不満げに腕の中の恋人を見つめると、荒い息を整えながら、怒りの眼差しで見上げられる。「……二週間分のキス、を、するつもり?」
じっと睨みつけられても、濡れた目では威力は全くない。いや、違う意味では壮絶な効力を出しているが。
そして、それを理解して、コンラートはそんな目で睨みつけているのだ。
自分を煽るために。「そんなつもりはないが?」
くすくすと笑い、目蓋に口付けを落とす。
ウソツキ、とばかりに睨み返されたが、そう抗議されるのもわかる気がする。
もう、半刻以上、口付けをずっとしていた。唇が真っ赤になり、ぷっくり腫れるほど、唇を嬲り続けたのだ。「諦めろ。お前の唇が甘すぎるのが悪い」
「----------っっ?!」驚くコンラートに言葉を紡がせないように、再び、唇を塞ぐ。
だけど、そろそろ、次に進まないと、コイビトが切れるのが目に見えていたので、横抱きに体をすくいあげる。
それに、我慢が出来ないのはグウェンダルも同じ。
久しぶりの逢瀬であり、色づいた恋人はすぐにでも奪いたくなるほど艶やかなのだ。甘い唇を堪能しつつ、その体を寝台に沈める。
せかされるように服を脱がす腕が、何故か可愛く感じて。コンラートにばれないように、笑みを一つ零す。
そうして、久しぶりの恋人を心行くまでじつくりと堪能する事にした。二人の夜は今、始まる。。。。。
FIN
甘いといわれれば、やはりちゅー祭りでv
もっと、えろえろちっくで書いてみたいなぁ(ぁ
070804 あずま
07. 密やかな項(うなじ)
ともすれば、漆黒に見える髪の中に。
ひっそりと隠されたうなじ。よく、そこに腕を回す。時に、背中に滑り落ちて、爪を立てることもあるけど。
執務職で、あまりイメージがわかないかもしれないけど、
そこは存外、しっかりとした肉がついていて、硬い。それでも、髪に隠されたせいか、日に焼けることない肌はきめが細やかで、滑らかで。
触れたくなる。指を這わせてみたくなる。
------------------------口付けを、落としてみたくなる。
「コ、コ、コ、コ、コココココンラッドさん?!」
「あ、兄上?!?!?!」
「わぁおv」
「たいちょ、アンタね……」代々、引き継がれてきた魔王陛下の執務室。
静寂と威厳と重圧に満ちた部屋のはずだが、ユーリが魔王になってからはそんなカタチはすっかりぽんと見当たらない。
普段は、魔王陛下とか、その婚約者とか、傍に仕える王佐とか、王佐とか王佐とかが
騒いで楽しそうな毎日を繰り返していて、それを片っ端から無視して……或いは、聞こえない聞こえてこないように精神統一をしている
グウェンダルの皺が深くなっていくばかりで、その騒がしさもいつもと変わらない日常だ。「いや、アンタ、、、いつもと変わらない事はないだろ……?」
呆れたように息をはくヨザックに、ちょっと小首を傾げて、とりあえず、微笑んでおく。
すると、閣下も大変だな、とか、口の中で話しながら、深いため息をはかれた。「……コンラート」
近くで、更に深いため息を吐かれた。
かと、思ったら、肩をぐいと押され、「お前は何をやっているんだ」
「うーん、、、所有のシルシをつけてみたり?」
「………」正直に答えたら、地底の底まで届きそうなため息をつかれた。
そんなに呆れなくてもいいのに。
ちょっと、グウェンの髪をいじっていたら、おいしそうなうなじが見えて、軽く歯をたてたぐらいなのに。
そりゃ、ここは執務室だとか、陛下はおろか、猊下・ヨザック、更に義弟のヴォルフの目の前でしてしまったとか、
執務中のグウェンにしたから、驚いてインクがはねてしまったりとか、してしまったけど。「あーうん。キミタチ、うざいから、いちゃつくなら寝室でやってくれる?v」
「はいはい、俺もさんせー。閣下、ソコの欲求不満のケダモノをなんとかしたほうがいいですよー」ヨザ、お前に言われたくない。
ちなみに残りの純情カップルは顔を真っ赤にして微動だにしない。
でも、ユーリも、ヴォルフ相手にアンナ事やコンナ事をしているのにね?そんな外野の言葉を聴いて、さて、どんなリアクションをとるのだろうと、視線を戻すと、
グウェンは額に手を当てて、眉間の皺をほぐしている。「----------え?」
そのまま、顔を覗き込んでいたら、ふわり、と体が浮いた。
グウェンが立ち上がるとき、膝に腕を回され、肩に担がれてしまった。「グウェン?」
「……二時間ほど席をはずす。------------陛下」
「はははははははいっ!」
「逃げないように」
「りょ、りょうかいですっ!」陛下は直立不動の姿勢をして、、、ついでに敬礼までしている。
グウェンは返事を鷹揚に頷き、後のものには目もくれず、、、いや、一応、猊下に目礼している。うん、ちょっとやりすぎたかな?
ずんずん進んでいく肩に乗りながら、ぼんやり考え直す。
通り過ぎるメイドや軍のものが、ぎょっと驚き、次に恐ろしいものを見たかのようにさっさと逃げていく。
部屋に近づいていく風景を見て、ちらり、とグウェンの顔を盗み見る。
完全に目が据わっている。
元はといえば、誘惑したグウェンのうなじが悪いんだけどなぁ。
なんて、言い訳は絶対させてくれないんだろうな。キィと響く扉の音の後、さっさと寝台の上に落とされて、グウェンの視線を真正面から受け止める。
ふと、細くなった目。
この義兄には珍しい笑みが口に浮かぶ。「……二時間後、立てるかな…」
そんなつぶやきは軽く無視され。
だけど、引き寄せられるのに身を任せて、その背中に腕を回した。
FIN
久しぶりに書くとも、コンさんがとてつもなく変わった気がします
うん。襲いうけは変わらないんですけど。
うん、これでもコンさんは受けですから←言い切る
080116 あずま
08. 痩せた鎖骨
しん、、、とした廊下に規則的な靴音が続く。
深夜。人々が眠りにつく時間。
その時間、フォンヴォルテール卿グウェンダルは、ある部屋に滑り込んだ。灯りが最低限まで落とされた部屋。
そんなに広い部屋ではない。だが、綺麗に整えられ、趣味のよい家具がおかれている。
そこをグウェンダルは横切っていく。内装に頓着せず、奥へと歩を進める。目的地はこの部屋の奥におかれた寝台。
そこには寝息をたてる青年が眠っている。
義弟のウェラー・コンラート。「……いや、ウェラー卿、か」
呟いて、自嘲気味に微笑む。
義弟は先の戦いの功績により、その地位を得ることになったのだ。------------------------その地位が欲しくて、これだけの傷を得たわけではないだろうに。
包帯が巻かれた額。そこにかかる前髪を透かしてみても、義弟は目覚めない。
国一番の武人と言われているのにも関らず。
それだけ傷が深いということで。それだけ体は疲労困憊しているということで。
それに傷は体だけに受けるものではないのだ。
そのココロにも。コンラートは僅かな兵とともに、ルッテンベルグから帰還した。勝利を手にして。
いや。
勝利だけしか持っていなかった。それ以外は、全て、あの地においてきてしまった。
活気を失い、表情を失い-------------生きがいを失い。
体の傷は癒すことは出来た。ただ、心の傷が癒されることはなくて。
ただ、息をしているだけに見えた。
見下ろすグウェンダルは、小さくため息をついた。
それでもコンラートは起きる気配がない。
傍らの椅子に座り、乏しい明かりの中、コンラートを見つめる。
傷は癒えたとはいえ、疲労は著しく、その体は痩せてしまっている。梳いていた前髪から指先を頬に、顎に、滑らせる。
そうしてたどり着いたのは、やせて浮いた鎖骨。そこにも、打撲した後が残っている。グウェンダルは微かに眉をしかめる。
この、傷ついてしまった義弟を癒す言葉も知らない。
暗く沈む瞳を元に戻す方法も知らない。
だけど、誓えることはひとつ。
この国を守ってみせる。
-----------あの戦いを一切無駄にしない。
二度と、あのような戦は起こさない。
二度と
-------------お前を傷つけないためにも。
国も民も家族も、、、、そして、お前も、守ってみせる。
グウェンダルは、再び、手を額に移して、包帯の上にかすかに触れる程度の口付けを落とした。
そうして、音もなく立ち上がると、振り返らず、部屋を立ち去る。
ぱたん、と扉が閉じた後に残るのは、コンラートの微かな寝息のみ。
グウェンダルが立ち去るときに揺らいだ炎は今、コンラートの頬を照らし続け。
そして、夜が明ける………。
FIN
まずはいいわけより。あずま、今手元に本がないので、うろ覚えで書いてます。
ゆえに、間違いがあるところはこっそりと教えてください(特にウェラー卿になたのは、戦の跡かどうかが(ぁ
ちなみに、グウェンダルとンはまだ出来てません。
あずまの中では、この二人が出来るのは、ユーリが来てからです。
その辺りもいつか、かけるといいなぁvvvv
09. 華奢な指
夜中。深夜過ぎ。
見張りの兵以外が眠る時間、やっと、グウェンダルは自分の執務室から腰を上げた。こんな時間までそこにいたのは、先の戦いの後始末のため。
伯父から奪い取った政務は、ほとんど、グウェンダルがこなしていて、
普段の政務も重なり、時間が何時間あっても足りないぐらいだ。
眉間によった皺をほぐし、音を立てず、自室へと足を進めた。
そんな中、ふと、通り過ぎようとした中庭に人の気配がする。
風を切る音が同じ感覚で続き、目を凝らすと、剣を素振りするものが見える。
(………コンラート…?)
それは紛れもなく、ひとつ下の義弟。
先の戦いでの--------傷を負ったもののひとり。(まだ、、、病室から開放されていないはずだが)
気配を殺し、柱の影に隠れながら、眉間に皺を寄せる。
その証拠に、服の隙間から白い包帯が闇に浮かぶように見える。
その瞳も-------------------------暗く沈んだまま。それでもコンラートは剣を振るう。
病室を抜けぬだして、体も心も傷ついたまま。。。。。
その腕は少し筋肉が落ちて、細く、白くなっているのに。
それは、武人としてのコンラートにとっては許せない矜持なのかも知れない。グウェンダルは、小さく息をつき、柱に背中を預けた。
彼はこういう時にかけるべき言葉を知らない。
かけるべき言葉が見つからない。
だから、せめて。
傍にいたいと思う。見守りたいと。
何が出来るかわからない自分ではあるが。コンラートはグウェンダルに気づかない。
いや、何もうつさないままの瞳をしたままのコンラートには、何も見えてないのだろうが。傍にいてやりたい。傍にいてやりたい。傍にいたい。
ふ、と、湧き上がるような感情の渦に、グウェンダルは軽く目を見張った。
なんなんだろうか、突然。
思わず、痛むような胸元に手をあてる。
それだけですぐに収まった感情に、意識を奪われたのは一瞬。
再び、耳に響いた風を切る音に、目を閉じた。せめて、この音がやむまでは………。
剣の振るう音が続く。
そこに重なるは二人の息。そして、それを聞くのは……………深い闇のみ。
FIN
キスシテナイジャン!←自分への突っ込み
そして、お題もこなしていない気がします(気のせいではアリマセヌ、あずまサン)
微妙に前回の続きですね。グウェンがストーカーにみえます(まつ
お気に召したらお願いしますv → web拍手を送る
080205 あずま
10. 広い背中
ぼんやり浮かぶ月を眺める。
それは蒼く、白く。淡く、仄かな光を地に注いでいて。
その月をコンラートは見上げていた。
いや、見るようで見ていなくて。だけど、ぼんやりその瞳にうつして。
城の奥にも当たるこの中庭は、自分の姿以外、誰もいない。
警備の兵も、この中庭の向こう側にいて、気配すらなく、寂寥とした静寂だけが、コンラートを包んでいる。
その事実に自嘲する笑みをこぼして、幾つもの戦いを潜り抜けた相棒を抱き寄せた。
ひやり、とした鞘が頬に辺り、冷たい感触でさえも自分に似合っていて、笑いがこみ上げてくる。
今笑えば、無様な態をさらす気がして、コンラートはじっと堪えて、目を閉じる。戦いは終わった。とりあえずは。
見慣れた病室で目が覚め、自分に巻かれた白い包帯を見て、自分が生きていることに気づいた。
------------あそこには、赤以外の色は無かったから。柄を握り締める指に力を入れる。
ただでさえ、忘れることが出来ない記憶なのだ。
一気によみがえる赤の記憶に、唇をかみ締める。真っ赤に染まった景色。鉄臭い匂いが鼻につき、耳には断末魔。肌は殺気を感じて鳥肌が立っている。
多分、魂に刻まれてしまったのだろう。だから、今でもあの場所にいるような錯覚にとらわれる。
あの、狂気に満ち溢れた場所に。蘇る記憶に息が切れてくる。
それがまた、あの戦場での記憶-----------最後は自分の呼吸のせわしない音と、鼓動と、それしか聞こえなくなった
あのときを思い出させる。また、この発作か、と、冷静に感じる心とは裏腹に、耐え切れない衝動が体中を襲う。
それは物理的な圧迫ではないのに。
心臓が押しつぶされそうになる。息が出来なくて、喉をかきむしりたい。
涙なんて出ない。枯れた訳ではなく、ただ、流れることはない。
だけど、叫びたくなる。喉がつぶれるまで。潰れても。なんなら、臓腑を全て吐き出してもいい。体を突き抜ける衝動に、どうすればいいのか、どうしたいのか、どうされたいのか、さっぱりわからない。
ただ、腕の中にある愛剣にすがりつく。それが、、、、記憶を蘇らせるものだとしても。
自分には--------------それしかないから。そうして、また、心が削られるのだ。
苦しみに慣れることはないのだ。回数を繰り返せば、それだけ、心は疲労していく。
そしてまた、剣にすがりつくことで、肉を切る感触までもが蘇ってくる。嗚呼、そういえば。
そう、柄が血にまみれて、滑りやすくなったのも思い出した。
そして、強く握り締め、相手に止めを刺した。
いや、相手は敵だけではない。死にきれず、苦しみにのた打ち回った味方のすがる瞳に笑みで答えてやったこともあった。耐え切れなくなって、胸元を握り締める。
その指先が震えてしまって、意識にもやがかかる。
短く早い呼吸が続いて、過呼吸を起こしてしまっているのだが、それに抗うすべは自分にはない。
ただ、体力が続く限り、この衝動を受け止め、受け止めきれなくなったら、意識を失うだけ。
思わず、立ててしまった爪で首もとを引っかく。包帯がめくれ、下の傷口があらわになる。
滴り落ちる血が、爪先に流れ、そうして、微かな鉄の匂いが鼻に届く。どくん、と頭の芯となるところが鼓動を打った。
今までにない衝撃が脊髄を突きぬけ、意識が何かに吸い込まれるような感触が訪れる。この瞬間だけが、幸せだった。
何も感じることが出来なくなるから。
全てが、消失へと向かうことが出来るから。揺らぐ体。
地面にぶつかるまでには意識を失うことが出来るだろう。
「コンラート?!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
次に体の傾きがとまる。
それでも、落ちていく意識はとまらない。消失点に向かう意識の中、耳にため息のような音が響く。
額が暖かいモノで包まれ、ふわり、と体が浮いた。
(グウェン-----?)
ゆらゆら揺れる意識と同じく、体がゆらゆらと揺れる。
体の半分が温かい。
思わず、頬を押し付けると、やわらかくて暖かくて、何故か涙が浮かびそうになった。
泣きたかった。
泣きたくなかった。シニタカッタ
シニタクナカッタ。
体の中を荒らしていた感情があふれ出す。
だがそれは、決して苦しみからではなく、体から、流れ出して、まるで浄化されるようで。今だけは。
今だけは、幸せに感じることを。逃れること。忘れることを。---------許してもらえたようで。
「どうした、コンラート?」
「……いや、何も--------」寝台から起き上がり、寝具を整えるグウェンの背中にそっと頬を当てる。
温かみはあの日と変わらない。そっと、その大きな背中に唇を落とす。
あの日。
全てを受け止めてくれ事を----------感謝するために。
「愛してますよ、グウェン」
万感の思いを込めて。
FIN
まとめ、みたいな(?)感じで
早くこの辺りを書きたいんですけど、なんだか、半分はだしてしまっているようで(むにゃむにゃ
でも、この辺りを書くには、もう一度、全部読み直さないと。
つーか、読みたい人はいるのかドウカ(あ
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080707 あずま
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