初…………?
ぴとっ。
ぴとぴとぴとぴとぴとぴとっ。
ぴとっ。「あ、あの、、、猊下?」
焦った声が俺の口から突き出る。
それも当然。
あの、猊下が。
四千年の記憶をもつ大賢者である少年村田健猊下が。
むしろ、俺の愛する人が。ずいぶんと難しい顔をしながら、俺の胸に頬を摺り寄せている。
それも、一度押し付けては離し、再び、頬を押し付け、、、を繰り返している。
いや、元々わからない行動を起こすことが多い人だが。…………新年会でお酒を召していたから………酔ったのか……?
自分の胸を見下ろすと、先程と同じ行為を繰り返す猊下がいる。
目元が赤く染まって、少し潤み気味だ。
後、微笑であればいいのに、と苦笑気味にその細い肩に両腕を回した。
すると。
すりっ。
すりすりすりすりすりすりっ。
すりっ。「げげげげげげ猊下っ?!」
にこ〜〜〜って笑って、頬を胸に摺り寄せてきた。
それはまるで小猫のように。
腕も背中に回され、きゅっ、と抱きついて来ている。一体、何があったというのだろうか。
この人がこんなに素直に甘えてくるって、考えられない。
罠か?それとも何か仕掛けてくるのか?なーんて、警戒する心はあっても、本能はさっさと猊下を抱き上げ、さっくり寝台に沈めていて。
「んん?」
眠そうな声がその唇から洩れる。
それでさえ、俺を煽る吐息でしかない。「猊下…………」
首筋に顔を埋めると、いい花の匂いがした。
服にしがみ付く指が更に強くなった。
笑みを一つ落として、更にその体を攻略しようと、上着の裾に指を潜めていく----------------------------。
「起きて」
「ぐっ・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」
無防備にみぞおちに一発。
とんでもない衝撃が来て、さすがに息が詰まった。衝撃に目を見開けると、そこには艶やかな黒を宿す少年が微笑んで座っている。
「あれ? …………あれ?」
何故、腕の中にいたはずの人が、今、上に乗っているのだろうか?
確か、まだ上に乗っけていないはずなのだが。「おーきーてーるーかーいー?」
「……………おきました」能天気な、のんびりした声が、再び響いて、我に戻った。
そして、やっと、状況を理解する。「……………夢落ち………ね」
そういえば、新年会の警護が終わったすぐに、皆に飲まされたのを思い出した。
「どうしたの?」
「いえ・・・・・・・何も」せめて、せめて、後、30分は続きを見たかったっっ!!
あんなお色気猊下は夢でしか見れないだろう。そんな俺の思いも当然、気付かず、ふぅん、と猊下は興味なさそうに返事すると
そうだ、と声を漏らした。「明けましておめでとう、グリエちゃん」
昨日は新年会に揉まれて言えなかったからね。
そういって、ふわり、と微笑む。
前言撤回。
今年初めての笑顔がこの人からの方が嬉しい。
「おめでとうございます、猊下」
今年もよろしくおねがいしますね?
終
ギャグ(?)担当ヨザムラv
コンセプトは『初夢』でしたーvぱちぱちと拍手、ありがとうございます!
そして、遅らせながら、新年ですねv
今年もマイペースながら、どしどしと更新していきたいと思っています。
今後とも、k−areaともどもあずまをよろしくお願いしますv070105 あずま
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