初…………?

 

 

冷たい風が、びゅん、と音を立てて通り過ぎていく。
それと同時に、心配性の保護者に無理矢理着せられた厚いコートの裾が捲りあがる。

「さむっ………」

思わず口に出た呟き。
かじかんできた指先を暖めようと息を吹きかければ、それはそれは白い息で。
風に乗って流れていく白い息を見つめていると、うしろから、ふわり、と温かいモノに包み込まれる。

「大丈夫ですか、ユーリ?」
「ん。多分、あと少しだから、大丈夫」

体を包んだ温かいものは、コンラッドの体温だった。
後ろから覆うように抱きしめて、少し声は心配そう。

俺は振り返り、微笑む。
……………多分、寒さで頬と鼻が赤いのだろう。
コンラッドが僅かに眉を潜めた。

「どうしても、どうしても日の出を見たかったからさ。もう少しだけ。な?」

先手必勝。
コンラッドが口を開ける前に言ってしまう。
すると、彼は困ったように微笑み……………仕方ないですね、と笑う。

予想通り。

視線を再び、まもなくあがろうとする陽の指す場所に向ける。
そこは真っ白に染まった丘。
新年パーティーの間、こんこんと降り積もった雪が地を覆っている。

だから、コンラッドは最初、渋った。
次に厚着させて。
そして、こっそり忍びだした城を後に、二人、ここにやってきた。

「あ…………」

丘の上から一条の光が差し込んできた。
それと共に振り払われる闇。
ゆっくりと、光が地を照らし、そして、無言で佇んでいた俺たちをも照らす。

美しい日の出だった。
これが毎日毎日行われているのに、何故か胸に込みあがるものを感じた。

きっと。
この美しさが毎日変わらず行われていることに感動したのだろう。

「コンラッド」

抱きしめられた腕の中。
その温かみを風に取られたくなくて、小さく身動きをして体ごと振り返る。
そこには星の煌きと、そして朝日に輝く瞳が柔和な微笑を刻み、俺を見ている。

……………この瞳の輝きも、綺麗だ。

 

「明けましておめでとう。今年も…………よろしくな」
「こちらこそ、よろしくお願いします、ユーリ」

 

 


ほのぼの担当コンユ
二人のコンセプトは『初日の出』でしたーv

ぱちぱちと拍手、ありがとうございます!
そして、遅らせながら、新年ですねv
今年もマイペースながら、どしどしと更新していきたいと思っています。
今後とも、k−areaともどもあずまをよろしくお願いしますv

070105 あずま

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