視線の先 2

 

 

 

 

 

「だから、お願い。な? もう今日は三時間も机に向かってサインしているんだぜ?
 脳筋族である俺には全脳細胞を使い果たしてくたくただし、16歳の健康男児にとってはすでに拷問の域だ。
 そろそろ見逃してくれよ〜〜〜〜」
「あぁ、陛下、陛下陛下陛下!
 貴方様はノウキン族ではなく魔族です! それに貴方を拷問にかけるとは!!
 わたくしの好みとしては、監禁がよいかと思いますがっっっ
 それにしても陛下。貴方はいつのまにそんな技を身に付けられたのですか!!
 震える唇、潤んで見上げてくる瞳、耳に心地よい甘い声………
 あぁ、陛下、陛下陛下陛下!!
 貴方はわたくしをどこまでひきつければ気が済むというのですか!!!」
「なんだと!!
 おい、ユーリ。お前は僕の婚約者という事を理解しているのか!!
 しかも目の前で浮気とはどういうことだ! この浮気ものめ!!」
「わぁぁぁ、ギュンター、しるっしるっ!!
 ヴォルフ、美少年がつばを飛ばすなぁぁ!!!」

昼下がりの日差しが気持ちよいその時間。相変わらず執務室に異色異音の声が響く。
過去、ここは厳粛なる静寂が横たわっていたというのに。
主が変わればそんなものだというのだろうか?
この部屋の主である第二十七代目渋谷有利の補佐をするグウェンダルは、ペンを持つ指先に力を入れぬように努力していた。

そんな彼に、ふいに視線を感じた。
書類から顔を上げる。
視線の先にいるのは、義理の弟であり、現魔王の名付け親である、ウェラー卿コンラートだ。
彼はいつものようにドアによりかかり、、、視線はユーリの方を見ている。

まただ、とグウェンダルは微かに眉間の皺を濃いくした。

最近、確かにコンラートから視線を感じる。
だけど、見ていなかったように視線は逸らされていて。
最初は気のせいだと思い、あまり気にはしていなかったのだが。

ただ、あまりにも視線が続くと、無意識にこちらからも見つめてしまって。

 

 

そうして気がつく。

いつも微笑んでいる義弟だが、その笑みにも様々な微笑があるという事に。
意地の悪い表情をすることもあり。
-----------------------傷ついた瞳をそっと伏せるくせもある。

その強靭な精神力で、微笑みに覆い隠そうとするのだけど、
隠し切れず、瞳から零れる-------------------未熟さ。

かと思うと、柔軟な姿勢で対処できる冷静さ。

 

不思議だった。

義理とはいえ、兄弟として育ったのに、こんなにも知らないことがある。
こんなにも新しい発見が出来る。

 

それを。

知りたいと思いだしたのは、いつからであろうか?

 

 


話が進んでないとはいわないでん☆(誰
ここまでがクヴェンサイドカナ?
次はコンラート(予定(は未定

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070106 あずま

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