君を愛している、という気持ちが、僕という意識を作り、
君に愛されることで、僕が存在していることを知らしめる。

キミが好きだよ、ヨザック。
それに気づいたのはいつだったのか、覚えていないケド。

だけど、僕はキミを愛している。

 

 

 

 

音のない森10

 

 

 

 

目の前に立つ、優美な影を見つめて、ヨザックは「あー」と訳のわからない声を出し、視線を逸らした。
ぽりぽりオレンジの髪を描き、彼には珍しく口のすべりが悪い。
ついでに罰の悪そうな顔をして、、、輝くほど爽やかな微笑を浮かべる、魔王陛下筆頭護衛官をちらりと盗み見た。

「いや、その、、、、、、、、スマン」
「……陛下の世界では、『ごめんですんだら警察はいらない』そうですよ?」

にこり。

と、隙のない微笑みで切り返す、幼馴染に、ヨザックは嫌な顔をした。
だけど、実際は自分が悪いので、何もいえない。
コンラートの部屋で、散々、猊下を啼かしてしまったのだ。コンラートのベッドの上で。
さて、どうやって機嫌を取ろうかと考えていると、ふ、とコンラートが息をついた。
腕を組み、笑みを胡散臭いものから変えて、首を横に動かす。

「向こう一ヶ月、酒代はおまえもちだな」
「えーーーっ」
「二ヶ月の方がいいか、ヨザ?」
「……へーへー、わかりましたよっ」

やけくそに言い切り、だけど、口の中で文句だけはつづる。
それを可笑しそうに見つめながら、ふとコンラートが口調を変えた。

「すっきりした表情になったな」
「………おかげさまで」
「で、反対に猊下は沈没したんだな」
「…………」
「良かったな」
「………ああ」

コンラートのポーカーフェイスではなく、幼馴染としての表情で言われ、ヨザックも素直に頷いた。
それを見つめて、更に瞳を細めたコンラートは、廊下の先を指差して、

「城に猊下の部屋を取ってきた。眞魔廟にも泊ると連絡もいれて、グウェンから休みをもぎ取ってきた。
猊下をそこまでした責任取って、甲斐甲斐しくお世話しろよ?」

愉しげに言うが、コンラートの瞳は優しくて、ヨザックは気の効く幼馴染に心の中で感謝した。
勿論、口に出しては、いつもの調子だ。

「じゃぁ、ナース服でお世話しなくっちゃねv」
「準備済だ」
「え、ええー?!?!」
「嘘」
「えーーーーーー」
「静かにしない猊下が目を覚まされるぞ?」
「………」

コンラートの言葉に二人して、寝台を見つめ、全く動きがないのを見る。
さすがに、朝と夕とで、体力を根こそぎ奪ったようだ。
明日、目が覚めた時、猊下はなんと言うのだろうか?
怒るだろうか。いや、怒り狂うのだろうと思う。

それでもいい、と思う。
漆黒の瞳に自分を映し出してもらって、何でもいいから言葉を貰いたい。
そのあまやかな唇を奪って、しなやかな体を抱きしめて、嘘ではないと確かめたい。

そうして。

目が覚めたら、伝えたい。

 

貴方を愛している、と。

 

 


よくわからない回になりました。次で終わりそうです
出来るだけ早くあぷしたいと思います!!
本当はこのかいで終わらせる予定でしたが、きったほうがわかりやすいかと思ってきりました。
故に次も短いです。

お気に召されたら、どうぞよろしくお願いしますv → web拍手を送る

070926 あずま

 

 

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