ばかっぷるウィルス感染警報発令中
                     〜おまけ〜

 

 

 

四人の間に不思議な沈黙が降りた、その後。

 

「陛下っ、御前失礼しますっ!!」
「えっ?えっ? ………って、何してるの!!」

ヨザックが突然立ち上がったかと思うと、有無を言わさず村田を肩に担ぎ上げた。
驚く村田を完全に無視して、どこから出したか鉤つきフックを城砦に投げると、猿のようにするする登っていき、、、
姿が消えたかと思うと、ドアが開く音と、閉まる音。
何故か鍵がかかった音まで聞こえた気がする。

「猿のような奴ですね」
「………ははは、そうだな」

くすり、と笑いを一つ落として、コンラッドが紅茶のお変わりを入れてくれる。
乾いた笑いで答えながら、俺はそれを受け取って、一口紅茶をすする。
思わず、再び、村田達が消えた方向を見つめると、コンラッドが会話を続ける。

「あんな奴の相手も大変でしょうね」
「そうだなぁ」
「まぁ………あんな風に煽られると仕方ないかもしれませんがね」
「……………ぇ」
「元もと、猊下はヨザックを甘やかしてはいませんからね。たまにされるとイイのでしょうね」
「…………」
「…………」

そして、再び訪れる不思議な沈黙。

てててててかかかか、コンラッドサン!?
背後から嫌な圧力がかかってキテイマスガ?!
振り返るのがコワイ……って言うか、振り返られないっ
多分、振り返ったら、ヤラレル。って、何を。

そんな訳のワカラナイ(ようなわかるような)気配を感じ、
最初は普通に笑っていた笑顔をそのまま張り付かせ、俺は逃げることした。

「じ、じゃぁ、そろそろギュンターが俺を呼んでいると思うからっ!!」

盗塁はダツシュが命!!
右足に力をいれ、地面を蹴り飛ばす。

「……………ユーリ?」

だが、名付け親でもある………恋人は、俺の動きを予測していたらしい。
腰を引き寄せられた、と思ったら、耳元で囁かれる。
それはいつも夜に聞いている声で、、、思わず、びくり、と肩を震わせてしまった。
それが一瞬の隙になってしまった。
ひょい、とばかりに肩に担ぎ上げられ、近くに茂っていた大木に背中を押し付けられる。

「ココココンラッドサン?!」
「ユーリ」

驚いて見上げた先に、銀の輝きが散らばる茶色の瞳が、俺を見つめていた。
鼓動が早くなる。
もうずっと見ているのに、慣れることのない眼差し。
そのまま瞳に吸い込まれそうな気がして、思わず、ぎゅっと肩を掴んでしまった。
それをコンラッドが愉しげに見つめてくる。

「ね、ユーリ。俺にも、して?」
「なななななな…………っっっっ!!!」

アアアアンタ、なにいっちょっとねっ!!
いや、予測できたことだけどもっっ、
つーか、ここは中庭だからっっ!!!!

言いたいことはいっぱいあったが声に出ず、口をぱくぱくさせていると、
コンラッドは茶色の瞳をほんの少し、寂しげに細めた。

「駄目?」
「うっ………」

………俺はこの瞳に弱い。
いつもの爽やかな微笑みに、少し寂しげな色を滲ませた、この表情に。
俺は俯いて、肩を握った手に力をいれる。

「……………だし……」
「ユーリ?」
「だって、ココ………外だし………」

ごにょごにょ口の中で言う。
だって、ここは外だぜ?
ただでさえ…………自分からキスするなんて、恥ずかしくてどうしようもないのに。
誰が見るかわからない所で、自分からキスするなんてーーーーーー恥ずかしくて出来ないっ!!

思わず、そんな自分を想像して一人興奮していると、ふわ、とコンラッドが笑った気がした。
顔を見上げると、やはり想像通りの表情。
見とれてしまうほど、あまやかな微笑を浮かべていて、ぽけっと見つめてしまった。

その微笑が近づく。
コンラッドの両肘が大木に付けられ、すっぽりと影の中に俺が入ってしまった。

「これなら見えないよ、ユーリ」

覆いかぶさって、でも、微笑みはそのままで。
いや、少し瞳の中に悪戯っぽい輝きが、なんだか少し、愉しくて。

俺は笑い返して、コンラッドの胸元を両手で掴んだ。
そうして、ゆっくり見上げて、コンラッドの唇に自分のを押し当てる。
ちょっと、軽く啄んでみたりして。

そしたら、驚いたコンラッドの顔が瞳に映った。
照れ隠しに笑ってみたら、コンラッドも微笑んで。

 

そうして、次に降りてきた唇に、俺は目を閉じた……………。

 

Fin


げふっ(砂吐き
いや、書いている間は愉しかったんですけど(ぁ
でも、こんな直線的なラブも猊下達みたいに屈折したラブも書いてて愉しいv

片思い同士の無自覚ラブも書いてて愉しいですがねv

061118  あずま

 

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