ばかっぷるウィルス感染警報発令中

 

 

「ぁ、ユーリ、ついてますよ?」
「------------コココココココンラッドサンッ!?」

と、目の前で繰り広げられる見慣れたラブな光線。
どんな状況下でも爽やかな笑顔を浮かべられる胡散臭い男が、
傍らの史上最年少の魔王サマの頬についたクッキーの屑を取り除いたのだ。
その長い舌で。
あわわあわあわ、と何を言っているのかわからない調子で、魔王……渋谷がちらりほらりと僕を見つめる。

何を照れているんだか。
毎日毎日毎度毎度、目の前でばかっぷるぶりを見せ付けているくせに。
大体、渋谷の保護者………名付け親のウェラー卿だけが悪いのではなく、
16歳にもなって、菓子屑を頬につけたりするのもいけない。
その根本として、、、渋谷が絶対の信頼をウェラー卿に預けているからだろうと見てわかるのだ。

もう見慣れたやり取り。
慣れていないのは渋谷だけだろう。慣れてこられても嫌だけど。
視線をティーカップに落とし、一口すする。いかにも、気にもしていないよ、とばかりに。
最初は適当にからかったり苛めたり強請ってみたりしたが、それも飽きてくるぐらいのラブラブぶりに、最近は放置している。
相手するのも馬鹿らしくなってきたからだ。

だが。

「いやぁーん、猊下、ほっぺた………」
「何もついてないからv」
「ぐっ………っっ」

隣に座っていたヨザックが飛び掛って来た所で、右ひじを突き出すと、彼のイイ所を直撃した。
腹を抱えるヨザックにへらへら笑って見せて、再び、クッキーを手に取る。

「猊下のいじわるぅーっ、グリ江、泣いちゃうんだからっ」

ヨヨヨヨ、としなを作って悲しむふりをする。
女装していればもう少し見れたかもしれないが、普通の格好だから気持ち悪いことこの上ない。
眉を潜めて不快な顔をしてやったら、猊下の意地悪っ、鬼畜っ、でもそんなトコも好き!とどさくさに紛れて抱きついてこようとした。

「……君もこりないよね」
「-----ッッ!!」

遠慮なくむこうずねを蹴ってやったら、さすがに効いたらしい。
痛みに顔を顰めるのを無視して紅茶をすする。

何が大変かというと、ヨザックがばかっぷるに感化されて、引っ付いてこようとすることだ。
そして、かなりーーーーーしつこい。

「ひどいー、猊下、ひどいー」

くすんくすん、と泣きまねする、ヨザック。
あぁ、もう、うるさい。

「ヨザ」
「なんです…………っ?!」

振り返った隙を狙って、胸倉つかんで引き寄せた。
驚いて見開かれた蒼い瞳が愉しい。
驚く渋谷と、おやっとばかりに片眉をあげているウェラー卿が目の端にはいったが、、、
そのまま彼の唇に、軽く唇を押し当ててやった。

固まっているヨザックと渋谷、、、ちなみに彼の保護者は爽やかな笑顔のまま、渋谷が落としたクッキーを拾っていた……に
気付かないふりをして、再び、手にしていた本を読み出した。

まぁ、たまに感化されるのもいいかもね。

 

こんなマヌケなお庭番の顔が見れるなら。

 

 

Fin


みじかっ!←自分に突っ込み
とりあえず、意地悪なくせに無自覚に誘う猊下をクダサイ(真顔

この後のオマケ話が続きますv
次はコンユーで(笑

061117 あずま。

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